腰痛の原因となる主要な傷病6つ

2021年3月22日月曜日

ぎっくり腰 腰痛

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腰痛にはたくさんの原因がありますが、
今回は、【腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版】に記載されていた腰痛の原因として多い順に記述していきたいと思います。
腰痛の原因順 神戸やすらぎ訪問マッサージ

腰痛の原因の内訳(腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版より)
・椎間関節性:22%
・筋筋膜性:18%
・椎間板性:13%
・狭窄症:11%
・椎間板ヘルニア:7%
・仙腸関節性:6%
・原因不明:22%
※原因不明の腰痛に関しては、また別の機会で記事として書きたいと思います。

椎間関節性の腰痛

椎間関節性の腰痛 神戸やすらぎ訪問マッサージ
背骨の骨を「椎骨」と言い、腰の椎骨のことを「腰椎」と言います。
腰椎の上記の図の部分が「椎間関節」です。
この部分がなんらかのトラブルにより痛みを誘発させます。例えば、ズレて微細な損傷が起きることで炎症が生じ痛みを感じます。
臀部まで痛みを放散することもあります。
動き始めや寝返りで痛いことがあり、座っている状態から立ち上がる時にも痛みを感じます。要は動作時に痛みます。
この部分が痛いと感じやすいのは、腰椎の構成部分の刺激に対する感受性が最も高いからだそうです。
ぎっくり腰の一つの要因でもあります。

筋・筋膜性の腰痛

筋筋膜性腰痛 神戸やすらぎ訪問マッサージ
腰部の筋肉や筋肉を包む筋膜の損傷により痛みが生じる腰痛です。
この腰痛は、レントゲン検査をしても特に異常がありません。また、脚への痛みや痺れは生じないです。
年齢に関係なく、立ち仕事やデスクワーク等、姿勢の悪い状態長時間続けた場合の腰痛はこの腰痛に該当するのではないでしょうか?
パーキンソン病の場合も、筋肉が必要以上に緊張しているので、このタイプの腰痛になりやすいのではないかと考えます。
また、私は、この筋・筋膜性腰痛は、急性腰痛(ぎっくり腰)の原因のひとつだと考えています。

椎間板性の腰痛

椎間板性の腰痛 神戸やすらぎ訪問マッサージ

腰椎の間にある「椎間板」にトラブルが起きた時に痛みを感じる腰痛です。
椎間板の外側は、コラーゲン線維で構成されており、本来は神経があまり通っておりません。線維輪が損傷してしまうと亀裂が入り、その箇所を修復しようと神経を伴って血管が入り込んできます。そうすると痛みを感じるようになってしまいます。
MRI検査で確認すると椎間板の中心部分が黒くなるようです。

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症  神戸やすらぎ訪問マッサージ
背骨の背部分には「脊柱管」という中枢神経の「脊髄」が通っており、その脊髄が圧迫されることで生じる症状です。
原因腰椎が変性した骨棘や肥大化した靭帯によって圧迫され、痛みや痺れを生じさせます。背中を後ろに反るとより圧迫が増すので痛みやしびれも増大します。
間欠跛行という、歩くと痛みが増大し、休憩しながら出ないと歩けなくなる症状があると脊柱管狭窄症の可能性があります。
太もも裏に痺れを感じたら、後述する椎間板ヘルニアかお尻の筋肉が原因の梨状筋症候群のどれかが原因と考えても良いかもしれません。

(※ちなみに間欠跛行閉塞性動脈硬化症という傷病でも起きます。脚の血管の血流が悪くなり歩行時に足のしびれ、痛み、冷たさを生じさせます。進行すると脚に血液が届かず、脚が壊疽し、脚を切断することにもなってしまう可能性があるので放っておいてはいけません。)

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア 神戸やすらぎ訪問マッサージ
椎骨の間にある椎間板の中の髄核がはみ出て脊髄を圧迫し、痛みや下肢のしびれを生じさせます。特定の部位が「はみ出る」ことをヘルニアと呼びます。
下肢のしびれは片側に生じることが多いです。上記の図のように片方の「神経根」を圧迫するからです。両側に下肢のしびれを感じることも、はみ出す部分が多ければ有り得ます。
腰部のヘルニアで生じやすい部位は第4腰椎と第5腰椎の間、その次に第5腰椎と仙骨の間が起きやすいです。
症状としては身体を前に曲げる(前屈)と、痛みが誘発することが多いです。
排尿排便障害があり続くようであれば手術が必要な場合もありますが、自然に治ることもあります。
なお、腰痛があって臀部や太もも裏側にしびれがあっても、先ほど記述した脊柱管狭窄症やお尻の筋肉が原因の「梨状筋症候群」の可能性もあります。
MRI検査でヘルニア等異常がなかった場合、筋肉が原因の坐骨神経痛かもしれません。

仙腸関節性の腰痛

仙腸関節性の腰痛 神戸やすらぎ訪問マッサージ
骨盤の腸骨と脊椎の一番下のスコップみたいな骨「仙骨」の関節部分が炎症し、痛みを誘発します。
レントゲン検査やMRI検査をしても、はっきり診断をつけにくい傷病です。

以上、腰痛の原因として割合の高い傷病6つでした。

ただ、腰痛には、まだまだ、原因となる傷病があります。
「腰痛の8割は原因不明」の嘘】の記事でも書きましたが、「腰痛の原因の8割は〇〇」と言うのは、インパクトを残す為であって病院で正しく検査すれば、原因がある程度判明します。

※腰痛の診断結果の割合は、【腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版】の通りですが、各傷病の説明に関しては、これまでに勉強してきたことや私見も含まれております。

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