その肩こり、ひょっとして「胸郭出口症候群」?

2021年8月11日水曜日

胸郭出口症候群 肩こり

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胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)と言う肩こりの症状をご存じでしょうか?
「胸郭」とは、胸をとりまく骨格のことです。
神戸やすらぎ訪問マッサージのブログ 胸郭
「胸郭出口」とは、一番上の肋骨・鎖骨・斜角筋と呼ばれる首の筋肉などによって構成される胸郭の上の方の構造のことです。
この部分を通る神経や血管が圧迫されることでしびれや痛みを感じてしまいます。
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上記の図のように、圧迫されること部位が3か所あります。

斜角筋隙
神戸やすらぎ訪問マッサージ 胸郭出口症候群 斜角筋隙
斜角筋に締め付けられるので「斜角筋症候群」という。
肋鎖間隙
神戸やすらぎ訪問マッサージ 胸郭出口症候群 肋鎖間隙
鎖骨と第1肋骨に挟まれる「骨性トンネル」によって圧迫される。
なで肩の場合、鎖骨が下がるので圧迫されやすいのではないだろうか?
 
小胸筋下間隙
神戸やすらぎ訪問マッサージ 胸郭出口症候群 小胸筋下間隙
肩関節を外転した時に圧迫されやすい。
つり革を握った時など症状が出やすい。

胸郭出口症候群は、なで肩の女性に多くみられる症状です。
女性は男性と比べると筋肉が少ないので肩甲骨が下がりやすいためと考えられています。
年齢層としては幅広いですが、20代が最も多いようです。また、片側だけに症状が出ることが多いようです。

胸郭出口症候群の特徴は、腕を上げた時に、腕から手にかけて小指側にしびれや痛みを感じる傾向があります。
また、急性期では、症状が肩のコリだけでなく、「肩から腕・手にかけて安静にしていても痛みや痺れがある」「腕のだるさや手の冷感が出現して、1分以上腕を挙げていられない」「腕を挙げたり、肘を曲げる動作に制限がある」場合、炎症が起こっている可能性があります。
更に進行すると、手の麻痺が起こって細かい作業が難しくなったり、握力が低下したりすることがあります。

対策としては、狭くなった胸郭を広げる体操が効果的です。
また、肩甲骨周辺の筋肉を適度に鍛えることによって、症状を軽減する効果が期待できます。
例えば、なで肩の場合、鎖骨が下がる傾向があります。そうすると肋骨と鎖骨の間が狭くなり症状が出ます。よって鎖骨を下がらないように僧帽筋を鍛えれば、なで肩が改善され症状も軽減するのではないかと考えています。
僧帽筋
では、マッサージは効果的なのでしょうか?
私自身の見解としては、肩周辺の固くなっている筋肉をほぐすことで症状が緩和されるのではないか、と考えています。
なぜなら、固くなった筋肉をほぐすことで一時的な効果かもしれませんが、上半身の姿勢が正しくなりやすいからです。スマホばかり触って首が前に突き出したような姿勢、座っている姿勢が長いとどうしても肩が前方に丸まってきます。
マッサージによって姿勢が改善し、結果的に胸郭出口を通っている神経や血管の圧迫が改善され、症状が緩和されるのではないでしょうか?

例えば、首肩がこると斜角筋が筋緊張するので腕の神経が圧迫され症状が出てしまいます。つまり斜角筋をほぐすことができれば、症状を軽減できるのではないか、と考えるわけです。

ただ、マッサージで症状が緩和されたとしても、やはり日々の生活習慣の姿勢から胸郭出口症候群になっていると思うので、簡単には症状がなくなるとは思えません。
筋力が落ちていたり、悪姿勢だったことを自覚していただいて、肩周辺の筋肉を維持するための体操やストレッチをご自身で定期的に行って頂くことが不可欠だと考えています。
ダイエットと同じで、人にしてもらうことはできません。少し厳しいかもしれませんが、自分自身で行動に移さなければなりません。
マッサージ師が行なう施術は、あくまできっかけです。

参考文献:
NHKきょうの健康 関節・骨を守る295のQ&A事典
運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学

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