パーキンソン病へのマッサージの有効性

2021年2月3日水曜日

マッサージの効果

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パーキンソン病とは、脳の中脳の黒質神経細胞が変性・消失することで起きる神経変性疾患です。中脳の黒質という部分の神経細胞でドーパミンが作られていますが、パーキンソン病では、黒質の神経細胞が減り、ドーパミンの作られる量が少なくなっています。通常であれば、ドーパミンは大脳の線条体という部位で連絡役として働きますが、ドーパミンが不足すると十分な調節が行えないため、体が動きにくくなり、ふるえが起こりやすくなります。

パーキンソン病になる原因は不明で、環境要因や遺伝子異常、頭部への度重なる外傷などが、その原因と考えられています。
発症する年齢としては、50~65歳頃が多く、高齢になるほど発病する確率が高くなると言われています。割合としては、1000人に1人~1.5人、60歳以上に限ると100人に約1人と言われています。

パーキンソン病の四大症状

症状としては、以下のようなものがあります。

①手足が震える

医療用語で、【振戦(しんせん)】、と言います。
震えは静止時に起こります。動かすと震えは小さくなります。

②筋肉がこわばる

医療用語で、【筋固縮(きんこしゅく)】と言います。筋肉を動かすのが難しいという感覚です。
また、歯車のように規則的な動きになる歯車現象、こわばりが続く鉛管(えんかん)現象という症状も出てきます。

③動きが鈍くなる

医療用語で【無動、寡動(むどう・かどう)】と言います。
細かい動作が難しくなってきます。
表情の変化が乏しくなる仮面様顔貌という症状が現れ、無表情になったり、まばたきが減る

④姿勢の維持が難しくなり、歩行に障害が出る

医療用語で【姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい)】と言います。
腰が曲がる・ななめに傾いてしまう・首が下がる、等の症状が起こってきます。
前のめりになって止まれなくなったり(突進現象)、転ばないようにしようとして歩行が小刻みになり(小刻み歩行)、歩行速度が速くなることもあります。
また、歩こうとした時に最初の一歩が踏み出しにくくなります。(すくみ足)
これらの症状は、最初から起こることは無く、数年してから起こります。
病気が始まって2年以内に姿勢反射障害が起こる時には、【進行性核上性麻痺などのパーキンソン症候群】の可能性があります。

※その他の症状

・立ちくらみ(※初期のうちから見られる)
・食べ物が飲み込みにくくなる
・字を書いているうちにだんだん小さくなったり、震えたりする
・便秘や頻尿など排尿障害
・嗅覚の低下
・興味が薄れたり意欲が低下する
・睡眠障害
・幻覚や妄想などの精神症状

もし、安静にしている時に手足が震えるような症状があれば、上記の症状が併発していないかチェックすると良いでしょう。

パーキンソン病の分類

パーキンソン病には、症状の進行度によって段階分けされています。
分類には、2つの指標があります。

ホーエン・ヤールの重症度分類
ステージⅠ度 体の片側だけに手足のふるえや筋肉のこわばりがみられる。まだ症状は軽い。
ステージⅡ度 両方の手足のふるえ、両側の筋肉のこわばりなどがみられるようになる。日常の生活がやや不便になる。
ステージⅢ度 姿勢反射障害が出てくる。その為に、すくみ足、小刻み歩行がみられる。日常生活に支障が出てくるが、介助なしに過ごせる。
ステージⅣ度 立ち上がり、歩行などが難しくなってくる。介助が必要になってくる。
ステージⅤ度 車いすが必要になり、ベッドで寝ていることが増えてくる。介助なしには生活が難しくなってくる。

生活機能障害度
1度 日常生活には、ほとんど介助の必要はない。
2度 日常生活に、部分的に介助が必要となってくる。
3度 日常生活において全面的に介助が必要となり、独立では歩行起立不能。

パーキンソン病の治療法

一般的な治療としては、薬物療法になります。少なくなったドーパミンを補います。

パーキンソン病の方へのマッサージは有効なのか?

パーキンソン病の方へのマッサージは、先ほど分類したどの段階でも有効だと私は考えています。マッサージにより一時的に症状が緩和することが可能だからです。
私自身の経験として、上記の重要度分類の各段階の方全てにマッサージ施術した経験があります。
ホーエン・ヤールの重症度分類で言うⅤ度(重症度で言うと一番重たい状態)の方にもマッサージ施術させて頂いたことがあります。
関節は動かさないでいると拘縮してきますので、何もしなければ関節が固まってきます。
ホーエン・ヤールの重症度分類Ⅴ度だと、身体が九の字の状態で固まってきます。マッサージ施術・運動療法を行なうことで、介助する上(おむつ交換等)で支障をきたさない程度の関節可動域が保持できていました。介助者の方から、パーキンソン病の方でここまで関節の可動域が保持できるんだ、というお声を頂いたこともあります。
また、マッサージを受けることで不安や抑うつ状態の緩和にも役に立ちます。
その結果、睡眠の質の向上にも重大な役割を果たす為、有効な手段だと私は考えます。

もちろんマッサージだけでなく、程よい運動も重要です。介助が必要になってくる段階、また、介助が必要な段階であっても身体を動かすことが大切です。立ち上がりができる段階であれば、運動療法を行なうことで筋力が維持できるので歩行できる期間を保持できるかと思います。運動は筋力の低下を防ぐためだけでなく、ドーパミンの増加にもつながります。ドーパミンの分泌との関係があるパーキンソン病において、ドーパミンを増やすことは、パーキンソン病の方の生活の質を向上させることにつながります

以上のように、私は、マッサージ施術を通してパーキンソン病の方のサポートをしていければと考えております。現在のパーキンソン病の平均寿命は全体の平均とほとんど変わらないと言われています。日々の生活が少しでも過ごしやすいようにサポート致しますので、神戸市にお住いの方で、お困りの方がいらっしゃいましたら、お問い合わせください。

電話(無料通話):0120-745-075
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