鍼(はり)はなぜ効くのか!?

2021年2月2日火曜日

施術方針

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この記事をご覧いただきありがとうございます。
神戸やすらぎ訪問マッサージのハマサキです。

皆さん、鍼(はり)治療を受けたことがありますか?

私は、あん摩マッサージ指圧師なので東洋医学の鍼やお灸を使って施術することができません。
たまに「鍼(はり)は、効果あるの?」と聞かれることがあるので、私なりの見解を述べたいと思います。

私自身の話ですが、ぎっくり腰になった時に鍼治療を受けて随分楽になったことがありました。その時は、膝の裏側にある委中(いちゅう)というツボに鍼を刺してもらって痛みが軽減した経験があります。
ですので、鍼は効果があるのかのないか、と聞かれると、私はあると考えます。

まず最初に、西洋医学の立場で、なぜ鍼が効果あるのか、を説明すると、
私が、専門学生時代に学んだ生理学の教科書(生理学 第2版 医歯薬出版株式会社)には、
皮膚や筋肉に刺した鍼は、そこにある非侵害性および侵害性受容器を含めたさまざまな求心性神経を興奮させ、中枢神経の内部、すなわち脊髄や脳内で痛みの情報伝達を遮断あるいは抑制すると考えられている。
と表記されています。
要は、本来は痛みを感じるセンサー(侵害受容器)を通して痛みを感じるのですが、鍼を刺すことで、その伝達をシャットアウトする、と考えられているようです。
私も、このような理由で鍼は効果があると考えています。

また、大阪府鍼灸マッサージ師会のホームページには、以下のように表記されています。
鍼灸の効果について近年の研究では、鍼灸で身体の一部を刺激すると、中枢神経の中にモルヒネのような役割をもったホルモン(内因性オピオイド)が放出されることが解りました。このホルモンが、痛みを脳に伝える神経経路をブロックします。
 また、鍼灸刺激は神経を刺激して血行を促進し、痛みや疲労の原因となる物質を老廃物として排出する作用も持っています。鍼灸刺激は自律神経に効果的に作用し、胃腸や心臓・血管などに作用しその働きを調節します。最近では、ヒトの持つ免疫力を賦活させる働きについても様々な研究がなされ、まだ解明されていない鍼灸の効果も期待されています。
と表記されておりました。
少しずつ解明されつつあることもあるようですね。

次に、東洋医学の考えから、鍼治療について説明したいと思います。
東洋医学の考えでは、人体には経絡(けいらく)経穴(けいけつ)と呼ばれるものがあります。
経絡は、「」や「」の通り道、すなわち人間の生命エネルギーが流れる道と言われています。
経穴は、いわゆるツボと呼ばれているもので、世界保健機関(WHO)でも認められています。WHOでは、ツボは全身に361穴あると決定されました。
(ただし、いつでも、361穴あるのではなく、身体の不調時にその状態に応じたツボが出現すると考えられています。)
ツボは、経験的に、鍼灸効果の著しい点がツボとして認識され構築されてきました。
鍼はこのツボを狙って治療していきます。

実際の治療では、使用する鍼の種類や、鍼を刺す深さ、刺激の与え方、どのツボに刺すか、又はその組み合わせ等により、鍼灸師によって異なってきます。
ですので、「鍼治療を受けても全く効果がなかった」という人もいれば、「嘘のように痛みがなくなった!」と言う人もいます。

鍼治療は、2千年以上の歴史があります。鍼の理解を深めるには、東洋医学の『陰陽五行説』等の知識が必要です。
東洋医学の基本的概念である『陰陽五行説』は、西洋医学を基に医学の進歩が進んでいる現代では、そのまま鵜呑みにできない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

西洋医学どっぷりのお医者さんからすれば、「皮膚の下の真皮には、血管や神経が分布している。血管は自律神経によって支配されているので鍼を刺すことで自律神経の活動に影響を与えている」と考える先生もいると思います。反対に東洋医学を深く学んだ鍼灸師の先生なら「人体の神経回路と経絡路は無関係である」と主張する方もいるでしょう。

よって、東洋医学と西洋医学の考え方に違いがあるので、どのような理由で効果があるのか説明するのは難しい所です。
ただ先ほど述べたように、世界保健機関であるWHOは、鍼灸を正式に医学と認め、数十種の疾患に鍼灸治療が有効であると発表しています。

私自身は、あん摩マッサージ指圧専門学校時代の授業で東洋医学も学びましたが、施術は西洋医学に則って施術しております。
東洋医学の概念を基に施術を行なってはおりませんが、西洋医学と東洋医学は、病を治すというゴールは同じですから、ツボを施術して効果があれば取り入れるべきだと考えています。より患者さんの為に今後も学んでいければと思います。

参考文献
腰痛のサイン・鈍重感を見逃すな】内田泰彦(著)、 黒柳律雄(著)、 武藤芳照(監修)
現代医学に残された七つの謎】杉 晴夫(著)

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